4人家族の我が家はみんな動物が好きでした。
中でも母は無類の猫好きでいつも飼いたいと言っていました。
しかし父は少し潔癖症なところがあり、ペットの抜け毛が気になると言って許可しませんでした。
しかし、母方の祖母が亡くなってしまい、母はとても元気がなくなり悲しそうでした。
父はそれを見かねたのか猫を飼おうと提案したのです。
それから我が家での猫の飼育が始まりました。
まずどこで購入したらいいのか分からず、ペットブリーダーさんから譲ってもらったと近所の人が言っていたので、我が家もブリーダーさんを探して頼みに行きました。
するとそこには鳴き声が出なくて売れ残ってしまっていた白い毛並みの猫が1匹いました。
母は迷わず、声が出なくてもいい、この子がいいとブリーダーさんにお願いしました。
しかしブリーダーさんは、この子は声が出なくて、あまり可愛らしくないと言われて売れ残ったために自分が育てようと思ったいたと教えてくれました。
母を疑っているわけではないのですが、動物虐待が増えている今、声の出ない子を本当に可愛がってくれるのか、少し考えさせてほしいとのことでした。
ブリーダーさんの気持ちもよくわかり、しっかり考えてもらえるようにお願いしました。
母は運命的な出会いをしたかのように、声の出ない子が気になって仕方なく、よくブリーダーさんに催促の電話をしていました。
母の熱意が伝わったのか、その子をようやく譲ってもらえることになりました。
我が家に来た時は、やはり鳴き声は出ず家の中を不安そうに落ち着きなく歩いていました。
私や妹は心配していましたが、母はいずれ出るようになるから大丈夫、と安心させるような環境づくりしようと出来るだけ配慮していました。
父はその姿を見て、白い毛並みなのだし強くなってほしいと願い、名前を「レオ」と名付けました。
すると我が家に慣れてきたのか、か細い声で鳴くようになりました。
譲り受けてから数週間後の出来事でした。
私たちは受け入れられたような気がしてとても嬉しくなりました。
レオの世話は基本的に母がしていましたが、レオにもこだわりがあるようで毛をとかさせてもいいのは妹のみで、爪を切らせてもいいのは私のみでした。
躾は父が行っていて父の言うことには比較的従順ですが、妹の言うことは全く聞きませんでした。
しかし性格は大人しい方で猫特有のいたずらは特にせず、ゆったりと自由に過ごしていました。
そんな自由気ままで頑固なレオは、15歳になる前の冬、家族全員に看取られてこの世を去りました。
思い出が書ききれない程あります。
私はレオと出会ってたくさん大切なことを学びました。
ありがとう、レオ。
追伸:友人の矢口敏和さんも猫を飼ってます
最終更新日 2025年4月16日 by dksyla